2021.07.06

六月大歌舞伎 第三部『日蓮』観劇記vol.13 天野 喜孝さん

六月大歌舞伎 第三部『日蓮』観劇記第13回は画家、キャラクターデザイン、イラストレーター、装幀家、そして舞台美術や衣裳デザインも手がける天野喜孝さんです!


絶望から希望へと
相手の気持ちを高めていく
「カッコイイ」日蓮聖人


 波瀾万丈な日蓮聖人の生涯の中で、どのエピソードが描かれるのかと思いましたが、現代の我々にも共感できる、いいお芝居でした。

 日蓮聖人が賤女おどろに対して、相手の気持ちに寄り添いながら、生きる喜びや幸せを切々と説き、絶望から希望へと相手の気持ちを高めていく姿は、役者さんの力量もあるのでしょうが、人と人が気持ちを通わせる感動的なシーンでした。

 市川猿之助さんは初めて生で拝見しましたが、演者としての凄みはもちろん、溌剌とした爽やかさもあり、見ていて気持ちのいい役者さんだと思いました。

 以前、私は歌舞伎座で舞台美術を担当したことがありますが、今回はオペラの舞台のような奥行きとモダンな雰囲気を感じました。そんな演出もあって、宗教劇と身構えることなく、現代の我々でも素直に楽しめました。

 今年は日蓮聖人降誕800年記念事業の一環として、約1年かけて「法華経画」を制作させていただきました。今回の舞台を鑑賞し、日蓮聖人の「力強さ」と「慈悲の心」に触れ、改めて「カッコイイ」人物であったと実感しました。


◆天野喜孝さんプロフィール

1952年静岡市生まれ
1967年アニメーション製作会社タツノコプロダクションに入社
天野嘉孝名義で『タイムボカン』等のアニメのキャラクターデザインを手掛ける
1987年『ファイナルファンタジー』のキャラクターデザインを担当
1992年『楊貴妃』の舞台美術を担当
1993年映像作品『天野喜孝 ~華麗なる幻想美の世界~』発売
1994年『海神別荘』の舞台美術、衣装デザインを担当
2001年 映画『陰陽師』の衣装デザインを担当
2007年 映画『ユメ十夜』の第7夜の監督を担当
2021年 日蓮聖人降誕800年慶讃事業として、約1年間の制作期間をかけて
「法華経画」を制作。2021年2月、立正大学石橋湛山記念講堂において、制作記者発表会を実施。
*プロフィール詳細
https://m-smo.co.jp/foobar_artist/index.html


天野喜孝さん、ご寄稿ありがとうございました!

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