六月大歌舞伎 第三部『日蓮』観劇記
2021.06.18
六月大歌舞伎 第三部『日蓮』観劇記vol.13 天野 喜孝さん
六月大歌舞伎 第三部『日蓮』観劇記第13回は画家、キャラクターデザイン、イラストレーター、装幀家、そして舞台美術や衣裳デザインも手がける天野喜孝さんです!
波瀾万丈な日蓮聖人の生涯の中で、どのエピソードが描かれるのかと思いましたが、現代の我々にも共感できる、いいお芝居でした。
日蓮聖人が賤女おどろに対して、相手の気持ちに寄り添いながら、生きる喜びや幸せを切々と説き、絶望から希望へと相手の気持ちを高めていく姿は、役者さんの力量もあるのでしょうが、人と人が気持ちを通わせる感動的なシーンでした。
市川猿之助さんは初めて生で拝見しましたが、演者としての凄みはもちろん、溌剌とした爽やかさもあり、見ていて気持ちのいい役者さんだと思いました。
以前、私は歌舞伎座で舞台美術を担当したことがありますが、今回はオペラの舞台のような奥行きとモダンな雰囲気を感じました。そんな演出もあって、宗教劇と身構えることなく、現代の我々でも素直に楽しめました。
今年は日蓮聖人降誕800年記念事業の一環として、約1年かけて「法華経画」を制作させていただきました。今回の舞台を鑑賞し、日蓮聖人の「力強さ」と「慈悲の心」に触れ、改めて「カッコイイ」人物であったと実感しました。
1952年静岡市生まれ
1967年アニメーション製作会社タツノコプロダクションに入社
天野嘉孝名義で『タイムボカン』等のアニメのキャラクターデザインを手掛ける
1987年『ファイナルファンタジー』のキャラクターデザインを担当
1992年『楊貴妃』の舞台美術を担当
1993年映像作品『天野喜孝 ~華麗なる幻想美の世界~』発売
1994年『海神別荘』の舞台美術、衣装デザインを担当
2001年 映画『陰陽師』の衣装デザインを担当
2007年 映画『ユメ十夜』の第7夜の監督を担当
2021年 日蓮聖人降誕800年慶讃事業として、約1年間の制作期間をかけて
「法華経画」を制作。2021年2月、立正大学石橋湛山記念講堂において、制作記者発表会を実施。
*プロフィール詳細
https://m-smo.co.jp/foobar_artist/index.html
天野喜孝さん、ご寄稿ありがとうございました!
2021.06.18
「あんのん基⾦」は、⼈々の笑顔を増やす⼤切な基⾦です
すべての人の苦しみを除き、喜びを願う気持ち。これは、仏教徒の基本精神です。日蓮宗では、このように他者の幸せを願い、そのために自らが行動する慈悲の精神にのっとり、社会活動を支援しています。
「あんのん基金」は、様々な社会活動・地域貢献・国際協力を行う団体や活動を支援する大切な基金です。戦争、天災、貧困、環境などの諸問題に対峙する世界中の方々へ、民族や宗教、文化の違いを超えて最も有効な支援を届けること。そして明るい社会を育て、人々の絆と笑顔を増やしていくこと。一人ひとりの小さな善意がこれらを実現し、明るい社会をつくる大きな一歩となります。
日蓮宗では、教師・檀信徒はもとより、多くの方々に広く支援を呼びかけてまいります。
皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。